Last flight

私の中で「CATCH ME IF YOU CAN」という映画はあまり良いイメージが無かった。
映画自体は面白かったけど、映画の中で主人公が幸せそうにしている姿の印象がほぼ無かったからだ。
主人公はいつも幸せを追うのに必死だった気がする。自分の大事なものを1つでも多く取り戻そうと必死だった気がする。その役をきーたんがやるのかと思った。いつもさびしそうにしていた主人公。その役をきーたんがやるのか。
結局私は観に行くことはできなかったので、せめてもきーたんの代わりにレオナルドディカプリオの映画を見ることにした。ちなみに私はレオ様が苦手だ。
久々に見たCMIYCはやっぱり切なくて、でも色んな役になりきっている時だけはフランクは楽しそうに見えた。きーたんもよく色んなキャラ*1をお洋服を通して演じてるから、きっとそれを生かして上手にやってるんだろうなと思ったらちょっと嬉しくなった。
ミュージカルだもんなー、どこでどんな曲歌ってるんだろうなー。おうちでパーティしてるシーンは?お医者さんになりすますシーンは?初めて人を好きになったシーンは?スッチーの中に雲隠れして飛行機に乗るシーンは歌ってるんだろな。誰よりも可愛いんだわきっと。
そんなことを考えているうちにどんどんフランクが追いつめられていったので、私はまるできーたんが追いつめられているかようにハラハラしながら見ていた。
今回私が観ていて初めて美しいと思ったシーンがあった。窓越しに自分の妹と対面するシーンだ。
警察から逃げ出し雪の中やっとの思いで自分の家までたどりついた時に見たものは自分が必死に取り戻そうとしていた暖かい家庭。窓の外から家の中を覗くフランクの顔は純粋で美しく子供そのものだった。だけどかつて自分がいた場所に幸せそうにほほ笑むのは初めて見る異父妹。窓越しに交わされる妹との会話。父を亡くし、母も家も無くして帰る場所を失った事を自覚するフランク。泣きそうな笑顔で妹から離れていくフランク。Nat King ColeのThe Christmas Songが美しく残酷に流れる中、崩れ落ちるように自ら逮捕してくれと懇願するフランク。このシーンだけバカみたいに何度も見て泣いた。このシーンを見てきーたんのフランキーが見れなかったことをとても後悔した。
きーたんは仕事に対してはすごく意識が高く、私なんかがきーたんの事をプロと呼ぶのもおこがましいくらい、きっと私よりずっとずっと大人だと思う。きーたんのインタビュー内容もいつもプロとして、大人として、アイドルとして、SHINeeのKEYとして100点満点だ。ただそれがいつも少しだけ自分に言い聞かせているように感じる*2。だから私の中のきーたんはいつも大人と子供の境目にいる。*3
大人と子供の境でふらふらして葛藤していたフランキーは、もしかしたらきーたんにぴったりで、きーたんだからこそ演じられた役なんじゃないかと思えた。
CMIYCは今見ても切ない映画だった。最後にちょっとの希望だけを光らせて終わってしまった。でもきーたんだったらそのちょっとの光をキラキラ輝く未来に変えて演じたんだろうな。

フランキーお疲れさまでした。きーたんの初めてのミュージカルがフランキーで良かった。

*1:キャラというかコンセプトかな

*2:本当に個人的な思い込みで申し訳ないです

*3:子供でいてほしいという個人的願望も含まれていると思うけど